二刀流はすでに当たり前?〜趣味の力とは〜

雑記

昨シーズン、メジャーリーグでにわかには信じ難い活躍をした選手がいました。

そう、大谷翔平選手です。

ピッチャーとバッターの両立という一般的に、というかほぼそんなことはありえないと言われてきたことを1シーズン通して両方やり続け、「ホームラン王を争いながらチームのエースとして投げる」という少年漫画のような体験をリアルでやってしまった。これは衝撃的なことでした。

もちろん大谷選手の持つ力というのが計り知れなかったことはいうまでもありませんが、その前にまずピッチャーとバッター両方で活躍しようという発想、これを持ち続けたことが普通では考えられないことなのです。

これが高校野球ならば、エースで4番なんてのも珍しくはなく、プロであってもそこそこ打てるピッチャーというのは存在します。

ただどうしてもピッチャーかバッターどちらかに専念しないと結果が出ないのがプロの世界であり、自分がより向いていた方1本で勝負するのが生き残るためにも必要なことでしょう。

と、これまでは思われていました…

大谷選手の凄さとは

ところが、それを大谷選手が軽々と覆してしまいました。

これは大谷選手が普通の人の倍の才能と努力を持ち合わせていたからでしょうか?

いや、そんなことはありません。

もちろん他人より努力はしたでしょうし才能もあるのでしょう。

ただ周りもメジャーリーガー。野球界では上澄みの上澄み、尋常でない才能と努力を持ち合わせた人たちの集団です。

何が何でも倍の差があるとはとても思えません。

では何が違ったのか。

それは間違いなく二刀流でいけるという発想、あるいは強い信念なのです。

二刀流選ばれ者しかできない?

ここで注目したいのは、二刀流なんてものは選ばれし人間にしかできないもので、僕らがいくら信念を持って頑張っても辿り着けない世界なのかということです。

テレビで連日大谷選手の活躍が報道され、記録的な活躍を続ける中、大谷選手は日本人のヒーローで、僕らには届かない世界かのように思っていないでしょうか?

たしかに、野球界では二刀流は今のところ1人、大谷選手の独走状態のように見えます。

これでは、たまたま優秀な人間が生まれてきただけで、二刀流はやはり普通の人には、あり得ないことなのかもしれません。

しかし野球界以外も見てみると、

例えば星野源さんは、俳優活動と歌手活動、さらにイラストも描いたりと、二刀流どころか三、四本の刀を持っています。

霜降り明星の粗品さんは、お笑い芸人ですが、テレビ、ラジオ、YouTubeなどさまざまな媒体で活動しており、またボカロPとしての実績もあります。

高校生から顔を出さずに活動しているAdoさん、日本ハムの監督でありながらテレビ出演も多くタレント的側面も持つ新庄BigBoss…

など多くの人が1つだけでなく、2つ3つと勝負できるフィールドをもっているのはもはや珍しいことではないのです

今出したのはアーティストがほとんどですが、youtubeをやっていたりブログを書くサラリーマン、なんてものも普通になってきています。

これは別に人々のレベルがいきなり格段に上がったわけではなく、自分の活動を世に見せる、そして周りの人の活動を見る媒体が増えてきた、ただそれだけの変化に起因しています。

これによっていくつものことを同時に学ぶことが可能になり、また同時に発信することも一般的なことになったのです。

「バッターとピッチャー?無理に決まってるだろ」という意見が大多数だったように、これまでは「サラリーマンやりながら歌手?頭お花畑かよ」という考えが当たり前でした。

しかし情報がいとも簡単に手に入り、かつ簡単に発信できる今、むしろ「サラリーマン1本?頭お花畑かよ」と思われるようになってきているのです。

1つの道を極める?

二刀流が珍しいことではないのはわかってもらえたかと思いますが、別に自分は特技なんかもないし刀一本でいいよ…となる人も多いかと思います。

ですが、今の時代一つの道で進んでいくというのは、実はかなり危ない橋渡りなんです。

これまでは、「専門性」というものは大きな価値を持っていました。

例えば、10年間仕事でプログラミングをしていた人は、才能がなかったとしても、そう簡単に周りに真似されることはありませんでした。

なぜなら新しいことを学ぶには本を読むか誰かに聞くぐらいしかなく、それを趣味として独学でやっても容易には同じレベルに達することは出来なかったからです。

これはすなわち、「長い時間をかけた」というのは大きな価値を持つことになります。

ところが今や、常時プロにより更新されている動画や記事があり、さらにオンラインで講座を受けることもできるので短い時間でも伸びる人はすぐ伸びます。

惰性で仕事をやっていた人は、趣味であっても楽しく精力的に学んでいる人に、一瞬で追い抜かされる状況が生まれているのです。

こうなっては「10年間仕事で使ってました」なんてことは大した権威を持ちません。

大企業の製品だから買ってもらえる、学歴が高いから雇ってもらえる、なんてことはなく完全実力主義の社会となっていくのです。

この世界ではアイデアがより良いものより多くの人に人気があるものが正義となり、いくら時間をかけてもぽっと出の新人にすぐ抜かれてしまうことも珍しくありません。

そんな中で、もし時間をかけてきたことがあまり自分に向いておらず、大衆に受けなかったなんてことになれば目も当てられません。

幸いなことに発表する媒体は豊富にあるため、2の矢、3の矢を打っておくことは簡単にできます。

ここで1本勝負に出るのではなく、2つ3つの道を残しておいてどれか周りに受けたものを本筋に据えていくのが、これからの社会を生き残る術となっていくのです。

趣味を仕事にしていく

ここまでは二刀流の重要さを語ってきましたが、では自分は何で勝負していけばいいのか、悩む人も多いでしょう。

そこで趣味の出番です。

自分には誇れる趣味なんかないよ…と思ってもちょっと待ってください。

ここでの趣味というのは、いわゆるピアノとか投資とかいう意識の高いものだけではありません。

例えばいつもやってるスマホゲームだって攻略動画を作っている人にとっては収入源です。

日本史が好きな人ならそれを紹介する動画を作るとか、将軍のLINEスタンプを作るとか、城などの名所に行ってみてその写真と共に行き方や良かった点などを記事にするとか、いくらでもアピールの方法はあります。

毎日生きていて、好きなことが一つもないなんて人はいないでしょう。

ただそれを仕事にできるという発想があるのかないのかだけで、あなたが二刀流になれるかどうかは決まってしまうのです。

大谷選手の場合でいえば、彼はピッチングもバッティングもどちらも好きであり、その両立を実現するための方法を求めたからこそ、2つともトップレベルに成り上がったのです。

どちらを選ぶかで悩んでいたなら、たとえ両方を実現する力があっても、1つだけで収まっていたでしょう。

現にこれまで100年二刀流は生まれなかったことがそれを物語っています。

1つのことだけを極めるというのは時に他のことからの逃げ道になり得ます。そしてそれは自分の可能性を狭め、極めた1つですら芽が出ない将来を作ってしまうことすらあるのです。

そして、そんな人間をもはや社会は必要としていません。

目標を1つに絞る必要はない、10個やりたいこと、好きなことがあるならそれを全てやってしまえばいい、その発想を持つことができ、実現の道筋を考え抜ける人がこれから時代のトップを走っていくのです。

雑記

Posted by doffy